リストラティブヨガのクラスを受けることに

今週は長い1週間だったから金曜美の夜にリストラティブヨガのクラスを受けることにした。
1時間半かけてプロップスを使ったポーズで癒されるなんて、最高のご褒美だ。
まるで小旅行にでかけるような気分。

 

でも、目を閉じて最初のおーずに集中した途端、予想外のものが訪れる。
不安感だ。

 

突然、過去数週間に起こった出来事、雇用の保障、週末に終えるべき事柄から、人間関係への疑いやクレジットカードの支払いの心配まで、さまざまな思考の波で頭の中が埋め尽くされていく。
ポーズは終わりそうで終わらない。
体を動かしていないのに、思考の波は収まりそうにもない。
落ち着きをなくし、苛立ちがつのっていく。
このクラスはリストラティブ(回復させる)のはずなのに、いったい何が起こったのだろう?

 

リストラティブのポーズ

リストラティブヨガは受動的なポーズをブランケットやブロック、ボルスターなどの補助用具を使って筋肉運動を最小限に抑えながら、数分間ポーズを保持するものだ。
リストラティブの練習は、体を休ませ、筋肉を伸ばし、心拍数と血圧を低下させ、神経系を鎮め、深いリラクセーションという安らかな精神状態へと導いてくれる。
しかし、リストラティブのポーズに簡単に入っていけるひともいれば、それをとても難しいと感じる人もいる。

 

「ほとんどの人は、リストラティブヨガをただ横になってリラックスするだけの至福の練習だと思っています」

 

と語るのは、ヨガワークスでリストラティブヨガ・トレーニングの全米ディレクターを務めるジリアン・ブランスキー。

 

「しかし、じっとして休息する練習は、不安感を引き起こすことがあります。病気、悲しみ、環境の変化などによって極度のストレスを抱えている時に体を解き放つと、神経系に過度の負担を与えてしまうのです。」

 

受動的なポーズが不安感や不快感を引き起こす要因は無数にある。

 

「肉体的なレベルでは無防備な状態にあります。なぜなら、体中の筋肉を緩めて、目を閉じて横たわり、胸部と腹部という生命維持に不可欠な臓器を収めた部分を晒しているのですから」

 

 

リストラティブヨガでは感情と向き合う

リストラティブのポーズはまた、感情的なレベルでも困難をともなうことがある。
受動的なポーズをとると、アクティブなポーズをとっているときよりも身体的な動きや感覚に集中する必要がなくなる為、意識が内側に向きやすくなる。
体がリラックスし始めた途端に、一日中抑えつけてきた感情―恐れ、苛立ち、悲しみ、不安が思考の最前線に押し出されてくるのだ。

 

「最後に、瞑想段階までポーズに深く入っていくと、身体的な形の感覚を失うことがあります。」

 

精神的に満たされて安心した状態に入ると、感覚が深まり、至福を味わうことができるが、苦しい状況にあると、身体感覚を失った時に恐れや思考の混乱につながることもある。

 

しかし、不安感や不快感を引き起こす可能性があるからといって、リストラティブヨガをやるべきではないということではない。
実際、高い不安感やストレスを感じているときこそ、リストラティブヨガの癒し効果から最大限の恩恵を受けられるのだ。

 

「その解決策は、肉体と精神が落ち着き、安心し、統合されるように、受動的なポーズをプロップスでサポートすることです」

 

こうしてリストラティブヨガの恩恵を受けながら、やがては湧き上がるすべての感情と向かい合うツールとしてこの練習を使えるようになる。

 

揺りかごの安心感

ブランスキー自身、家族に不幸があり、極度の不安感に苦しむようになってリストラティブの練習そのものがかわったという。

 

「最初は、大地に根差した安心感よりも、気持ちが軽くなり、幸福感を味わうためのものでした」

 

「もはや幸福感を味わうことはできず、不安定で分離されたようでした。私はひとり取り残されたような気分で、本当に怖かったのです」

 

ブランスキーは自分の経験をもとに、不安定な心を受け入れてサポートするアプローチを考案してリストラティブヨガに取り入れた。
彼女は、生体力学とアラインメントの原則による「統合」(骨の配置法によって、骨を体幹部に引き寄せて離れないようにする)を重視するアヌサラヨガのトレーニングを活用した。

 

また、身体セラピストのルエラ・フランク博士のもとで学んだことも大いに役立った。
それは赤ん坊を布で包んでおとなしくさせるのと似ているのだが、体に揺りかごに抱かれるような安心感を与える為に、補助的なプロップスやブランケットによる「体の外側の包み方」を学んだのだ。

 

リストラティブのポーズでは、体を無防備にしないテクニックとして、ブランケットで温かく体を保護する層をつくり、アイピローを手のひらに置いて「手をつなぐ」感覚を生むことも効果的だ。

 

ブランスキーはまた、どんなポーズでも、足を何かの上、壁や丸めたブランケット、パートナーなど、に休ませることをすすめる。

 

「それによって、体が大地とのつながりを感じやすくなり、足と体の一体感が戻り、深い安定感と安心感がもたらされます」と彼女は言う。

 

その上で、折りたたんだり、丸めたりしたブランケットのようなプロップスを腕や足をサポートするように置くと、足や腕の骨の重みは体の内側に落ちていき、頭の重みは完全にサポートされるようになる。

 

呼吸とつながる

目を閉じて練習するのが不快な場合は、目を開けたままで練習してもいい。

 

「心が忙しく動き回っているときに目を閉じると、さまよう心が不安へと迷い込むこともあります。目を開けておくことで、外側の世界とのつながりを感じられるのです」

 

ブランスキーによれば、どんな精神状態であっても、こうした適応法によってリストラティブのポーズで安定し、リラックスできる能力を培うことができるという。

 

「呼吸とのつながりをより深めることができれば、すべての神経系が落ち着いてきます。そうすれば、自分が思っていたよりも、やっかいな感情にも上手く対処できるようになるでしょう」